SCICON 「AEROWING」 1ヵ月着用レビュー デザインと付け心地を両立したハイコスパなアイウェア
去年の暮,株式会社Many's様(HP:https://manys.work/)のクリスマスプレゼント企画に応募したところ当選し,SCICON「AEROWING」を頂きました.
以前までSCICONは飛行機用の輪行バッグのイメージが強いブランドでした.しかし,2019年にアイウェアを発売すると,ツール2連覇を飾ったポガチャルが着用するアイウェアのメーカーとしても有名になりました.2022年からはUAEチームエミレーツ,チームバイクエクスチェンジ,イスラエルスタートアップネーションの3チームがSCICONのサングラスを着用します.
そんなSCICONですが,僕の身の周りではまだまだ使っている人が少なく,ネットで調べても詳しい情報はあまり出てきません.今回のブログはSCICONのサングラスに興味があるけど情報が少ない!という方に向けて,1か月間様々な環境で使用した使用感を詳しくレビューしていきます.
結論を先に言うと,SCICON AEROWINGは
”付け心地の調整が抜群に良く,コストパフォーマンスの高いサングラス”
と言えます.
Contents
- 1.SCICON AEROWING スペック
- 2.快適なかけ心地を生み出すシステム"POWER ERGO DESIGN"
- 3.まとめ : SCICON AEROWINGの良いところ/惜しいところ
- 4.最後に
1.SCICON AEROWING スペック
1)基本スペック
モデル名:AEROWING
フレームカラー:WHITE GLOSS
レンズ:Multimirror Blue / 非調光
重量:34g(実測値)
AEROWINGの特徴を端的に表すと「シングルレンズ,ハーフフレーム」.
オークリーのSUTROやJaw breakerなど,近年のアイウェアのトレンドである大きなシングルレンズをAEROWINGも採用しています.
重量は実測値で34g.参考までにオークリー radar ev pathの重量を計ると29g.
後で触れますがフレームの材質がかなり丈夫そうな分,重量は少し重めです.
2)レンズについて
・レンズカラー
レンズカラーは調光,ブルー,ブロンズ,レッド,ピンク,グラディエントブラック,クリアの7種類があり,ピンクとグラディエントブラックはスペアレンズとしての別売りのみ購入が可能だそう.また,クリアレンズは本体を購入するときに付属してきます.
今回頂いたAEROWINGについていたレンズはMultimirror Blueという青系のレンズ.今まで使っていたOAKLEYのPrizm Low Lightと比べるとかなり暗めのレンズになっています.
可視光線透過率は18%で晴天用のレンズなので曇りの日や,晴れている日でも夕方になるとかなり暗く感じてしまいます.夏の日差しが強い時期や冬でも日が昇っている時間帯に使用するのがベストな使い方だと感じました.
・付属のソフトケース
付属のソフトケースは,裏側にスペアレンズを収納できるポケットがついていて,遠征の時などケースを二つ持ち運ぶ必要が無くなる地味に便利な機能付き.
(今回頂いたセットは非売モデルだった?ので,クリアレンズは付属していませんでした.)
・傷が付きづらいエッチング加工
AEROWINGのレンズのリムがない部分はエッチング加工がされていて傷がつきづらい構造になっています.アイウェアは大切に扱っていてもうっかり落としてしまったり,ガリ傷をつけてしまいやすいもの.普段からガシガシ使う僕にとってはとても嬉しい加工です.
3)頑丈なフレーム
AEROWINGのフレームはグリルアミドTR-90という医療用器具向けに開発された樹脂でできたハーフリムタイプになっています.かなり丈夫そうな質感で,初めて触れたときは金属かと思うほどでした.
このグリルアミドTYR-90という素材は極度に高度な曲げ強度ながら低密度であり,紫外線のダメージにも強い素材だということです.つまり高強度で,軽い素材というわけです.
レンズ上部に加えて,フレーム上部にもベンチレーションホールが設けられていて,曇り対策が施されています.さすがに信号で止まったタイミングでは曇ってしまいますが,走り出すとすぐに曇りが消えるので使用していて困ることはほぼありませんでした.
2.快適なかけ心地を生み出すシステム"POWER ERGO DESIGN"
1)FLEXI FIT
AEROWINGのテンプルのゴムの部分にはSCICON独自のテクノロジーであるFLEXI FITが採用されています.
ラバー部分の中に固めのワイヤのようなものが入っていて少し力を入れて曲げることで自分のフェイスラインに合わせたセッティングが可能になっています.
顔の大きさが小さめの僕にとって,今流行りの大型シングルレンズを採用している他メーカーのアイウェアはフェイスラインに合わないことが多く,すぐにずれ落ちてくることが悩みでした.
その点AEROWINGはFLEXI FITのおかげでずれ落ちがほとんど発生せず,ストレスフリーで練習することが可能になったのでこの機能は一番のお気に入りポイントです.
また,この機能によってがっちりとホールドしてくれるおかげで重量があるにもかかわらず付け心地はとても軽く感じました.
2)ヘルメットや顔に干渉しづらいデザイン
AEROWINGのデザインで特徴的なのがフレーム上部がフラットな部分.大型シングルレンズのアイウェアはその大きさからヘルメットと干渉してしまうことがありましたがAEROWINGはフレーム上部がフラットであることでヘルメットと干渉することがありません.
3)アジアンフィットのノーズパッド
AEROWINGに付属しているノーズパッドはアジアンフィットもので,付け根の部分がフラップのように可変式のため鼻の形に合わせて柔軟にフィットするようになっています.また,ノーズパッドの表面は凸凹状に加工されていて,滑りづらくなっています.
ノーズパッド単体だと汗をかいたときにどうしてもずり落ちてしまうので先述したFLEXI FITと組み合わせて使うことでよりフィット感を向上させられました.
4)OAKLEY RADAR EV PATHと比較
今まで5つほどのアイウェアを使ったことがありますが最終的に落ち着いたのはOAKLEY RADAR EV PATHでした.RADARに落ち着いた理由として,レンズの大きさ,ゆがみの少なさ,ズレづらさのすべてにおいて不満がなかったからです.
そこでここでは使い慣れたRADARとAEROWINGを比較したいと思います.
・レンズの大きさ
レンズの大きさはAEROWINGの方が1.5倍ほど大きい.RADARは今のサングラスとしては小ぶりな方なので隣に置いてみるとAEROWINGのレンズが大きく見えます.
RADARに慣れているとAEROWINGをかけたときに視界の広さがより印象的でした.
普段コンタクトを使っている僕にとって風の巻き込みやごみが目に入るのは死活問題なので,この視界の広さは平坦をエアロポジションで走行しているときに特に大きなアドバンテージになりました.
・横幅,テンプルの長さ
下の写真はAEROWINGとRADARを上から撮った写真.
横幅,テンプルの長さともにほぼ大差はありません.ただし,RADARはテンプル全体がラバーで包まれているのに対してAEROWINGはFLEXI FITの部分のみラバー加工されています.
実際の付け心地は以下のような違いがありました.
.AEROWING
耳の後ろでしっかりホールドされることで安定感があるイメージ.
・RADAREV PATH
こめかみから耳の後ろにかけて全体的に圧迫とラバーの摩擦によって安定感を出しているイメージ
AEROWINGはRADARとくらべてテンプル部分の横幅は広いのでこめかみの圧迫感はほぼありません.よってRADARよりも様々な頭の大きさの人にフィットするのかなと思いました.
また,レンズの形状に着目すると,RADARよりもAEROWINGの方がカーブが緩やかなのでより日本人に合う形状ではないかと思います.
3.まとめ : SCICON AEROWINGの良いところ/惜しいところ
・いいところ
1.フィット感の調整が容易
2.レンズの永久保証が付いている
実はSCICONのサングラスは傷をつけてしまった時の交換補償プログラムがある.
この保証は日本国内の正規販売店で購入したユーザーに適用され,1年間に最大2回までレンズの交換ができる補償になります.
詳しくは以下のリンクから↓
・惜しいところ
1.ノーズパッドがもう少し厚いものだと良かった
フィット感に大きな不満はありませんでしたが,あえて言うのであればもう少しノーズパッドが厚いものであればよりフィット感が向上するのではないかと思いました.
2.レンズのゆがみについて
今回比較に使用したRADARのレンズと比べるとほんの少しゆがみが大きい気がしました.レンズの色が暗めだからかもしれませんが,1日走るようなロングライドをすると目が疲れやすい気がします.ただし,疲れやすさなどは数値としてわかるものでなく,あくまで個人的な主観になります.
この部分に関しては個人的にも気になるところなので,スペアレンズとして販売されているPink Low Lightという薄い色のレンズを購入して比較することを検討しています.
4.最後に
SCICONのサングラスのセットには取扱説明書が同封されていますが,少しわかりづらいのでレンズの外し方やフィット感の調整は以下のリンクを参照していただくと理解しやすいかもしれません.
シンプルでどんなヘルメットにも合わせやすいAEROWING.
これまで使用してきたサングラスの中でもトップクラスのフィット感があり,これからも練習やレースでガシガシ使っていこうと思います!